図書館。
タイトルは20歳と書いて「はたち」と読む。
送り仮名をわざわざ振っているということは、語呂にこだわりでもあるのだろうか。

タイトル通りの金融入門。
お金を「通り道」と「乗り物」によって分類して、解説していく。
「通り道」は2種類。市場を通る通り道と、中継所を通る通り道。
「乗り物」は2種類。負債と資本。
これで4つのマス目ができる。

「通り道」市場経由 かつ 「乗り物」負債:債権
「通り道」市場経由 かつ 「乗り物」資本:株式
「通り道」中継所経由 かつ 「乗り物」負債:金融機関の預金と貸出
「通り道」中継所経由 かつ 「乗り物」資本:??

こんな具合に分類できる。
で、それぞれについてどんなものかいう説明が書いてある。

・「通り道」中継所経由 かつ 「乗り物」資本:??
この??のところにはぴったりと該当するものがないが、プライベート・エクイティていうのがある程度近い存在らしい。株式を囲い込む買収用の存在。

内容は幅広く、非常に分かりやすかった。小見出しメモ。
金利とは「がまん代」である
1+1=2ではない? (リスク分散の説明)
お金を返す期間が決まっている(負債の説明)
出来高払い制-「配当」という見返り (資本の説明)
お金を出した相手をどのように監視するか?(負債は定期的な金利、株式は議決権)
預金が集まる理由-「リスクの遮断」(銀行という中継所の説明)
銀行と似た役割をする保険会社(リスク遮断をする中継所の例)
市場の交通整理人としての証券会社(注文を右から左に流しているだけだが、相手を見つけてくれるので楽チン)
「負債」が持っている「テコ」としての性質(会社が負債と資本を所有する効果)
買収阻止か経営者の自己保身か(買収という難しい問題について)
劣後債と優先株(資本と負債のハイブリッドな存在について)
証券化のメリット(沢山の人を相手にお金を貸せる、リスクを調整できる)
証券化のデメリット(お金が市場を経由するので、監視機能がなくなる)

後半の劣後債や優先株は初耳で面白かった。証券化はイマイチ分からなかった。

説明が「なぜそれが存在するのか」という本質に迫っていると思う。「こういうものがあるよ、
覚えておいてね」で済ますことのないかなり良い本。索引があるので金融の基本用語辞典風にも使える。
これは、買って手元に持っておくのがいいかもしれない。

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