【本】多読術

2011年2月16日 読書
図書館。

著者は千夜千冊というなんだか名前だけでも凄まじい企画を成し遂げた人。
平日5日で5冊の本を読んでいくらしい。それを何年も続けるとかとんでもない。

この本はタイトルこそ多読術だけど、テクニックというより、著者の思想が詰まっている。
著者は、幼い頃の母親からのクリスマスプレゼントで本をもらったことから本好きになったらしい。出版社を設立してたり、今はなんか編集工学研究所という所の所長とかしている。

・図書館について
図書館のいいところは、そこには本しかない ということです。(中略)ジムに行ってトレーニング以外のことをしないのと同じで、図書館に行けば必ず本になじみます。
なるほど確かに図書館は雰囲気から読書しやすい気分にさせる場所だ。今住んでいる場所は、会社の目の前だけど図書館はちょっと遠い。これはこれで悪くない。会社近いのは便利。
著者は引越しのたびに図書館の近くにしていたらしい。

・「二重引き出し読書」
「場所」を下敷きにしながら読む
イマイチ分からないけど、著者は街を紹介する描写を読んでいて、場所を紹介しつつ、書いた人の心を表現しているんだなと思ったらしい。それを読み方に適用する。
うーん、これは、場所を変えて読むことのススメという単純な話なのか良く分からん。

・読書は三割五分くらいの打率でいい
これはまあ書いてあるとおり、難しい本に挑戦して打ちのめされるのもまたたまらないよね、というマゾな話。

・個人全集のすすめ
個人全集では一人の著者が、たくさんのさまざまな投球と球種を見せてくれます。これは、どんな本を読むより、構造的な読書ができる。
個人について詳しくなることもあるし、自分の読み方そのものにも良い影響があるらしい。

・読書の楽しみ
無知から未知へ 、それが読書の醍醐味です。
自称活字中毒者だけあって、わかり易い表現。確かに最近読んだ「記憶はウソをつく」ではそんな感じだった。まだまだ脳の記憶は不思議なんだろうなあ、という未知の部分が残っているからたまらない。

・「目次読書法」
目次を見て、ごくごくおおざっぱでいいから、その本の内容を想像するというのが大事なんですね。(中略)そうしておいて、やおらパラパラとやる。
そうすると、目次に出ていたキーワードから想像したことと、その本の言葉の並びぐあいとの相違が、たちまち見えてきます。

これはなんかの本で読んだぞ。ターゲットリーディングとか、スキミングとか、やたらとカタカナ語を使ってた速読本だ。
ゼッタイおススメの 前戯です。
この著者の場合、読書が楽しくなるものとしてお勧めしている。この行為はそんなにいいことなんだなあ。気づいた時しかやってなかった。もっと積極的にするようにしよう。

・読書は編集だ
これが著者の最も言いたいこと。
読書とは書き手と読み手のコラボレーションらしい。
書き手はただ書くだけではなくて自分で読みながら書いている。だから読み手も書き手と混ざって読む方法があっていい。方法論をもっと様々に語り合う世の中になってもいい。
著者が本を書いた人だから言える持論。なるほど難しい。
もっと言うならこの見出しはどうなんだ、とかまさに編集についても踏み込んでいくのもアリ。

・本に書き込む
「本はノートである」という考えで、ドンドンと書きこむ。
自分が惹かれたところとか、気になる単語とかにマーキングする。
再読の時に、その本の中身が立体的に浮かび上がってくるらしい。

・音読から黙読、黙読からデジ読
読書は変わりつつある。14世紀から16世紀くらいまでは音読。
それ以降は黙読をするようになった。ただし音を失った。
最近になって、本を介さない情報の取得ができるようになった。ただし本のようにパッケージされていない。

・本の年代表作成
読んだ本に出てきた年号とかを抜き出して年表を作ろうという話。
読んだ本の内容が同じ年に並ぶと結構うれしいらしい。なんとなく分かる気がする。

・三冊の並び
書店などで本棚をみるときはめぼしい本と両隣の三冊の並びに注目してみるといい。
三冊で一つのセットになっていて、それが数珠つなぎになっている。自分の本棚も意識してみるといいらしい。

・本の読み方、好みは自由だ
そのまま。別にこだわることもないらしい。でもちょっとこだわると逆にいいかも。例えば、推理小説を読む場合はきちっとした服装にしてから読むとか。

インタビュー形式で書いてあるので、結構この人の語り方が見えて面白い。
流石に読書量がとんでもないこともあって、豊富な喩え話とか、〇〇の本ではこうですけどとか、突然の話の飛躍とかが多い。これには素直に尊敬。たくさん読んで、しっかりと身になっているなと思う。
一番の収穫は、目次かな。大切さを再認識。

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